詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
夢だった。気の狂った弟がたこ焼き屋さんで順番待ちしている女子高校生たちの順番を無視して割り込んでたこ焼きを注文して文句を言われて、その女子高校生のひとりを殴ったら女子高校生たちにぼこぼこに殴り返されている夢だった。とても現実感のある夢であったので、じつに情けなかった。

きょうも仕事がないので、夕方まで、『金子光晴詩集』を読むことにする。

 付箋しようか迷って付箋しなかった箇所の詩句「深みから奈落が浮かび上がってくる」(だったのだと思う)が、3、4回繰り返し読み直しても見つからなかった。ぼくが勝手にイメージしてつくった言葉なのかな。「僕らのものでない空無からも、なんと大きな寂しさがふきあ
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