詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
で、だいたい知っているけど、まとめてドバーッと読むのもいい。詩自体に書かれたこともおもしろいところがあるし、そこには付箋をしていて、あとでルーズリーフに書き写すつもりだけれど、自分の記憶にも触れるところが、ふきのとうの天ぷらの記憶のようにね、あると思うので、それも楽しみ。ぼく自体が忘れている記憶が、他者の詩に書かれた言葉から、詩句から、そのイメージから、あるいは、音からさえも、呼び起こされる場合があると思うと、やっぱり、文学って記憶装置だよねって思っちゃう。言葉でできたみんなの記憶装置だ。

 4月28日締め切りの原稿の彫琢は、夜にすることにした。いまはとにかく、すいすい読めてる『金子光晴詩集
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