詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
くの父親の世代(いま80歳くらいのひとたち)で使われていた単語だ。めっちゃなつかしい。数十年ぶりに目にした言葉だった。「おそそ」
かといって、同じ詩のさいごの二行はこんなの。
核実験は夢のまたゆめ
どこまでつづくぬかるみぞ。
(金子光晴『多勢のイヴに』最終連・第三―四行)
ようやく、岩波文庫の『金子光晴詩集』が読めた。後半、付箋だらけ。これから、もう一度、読み直す。よいなと思った詩篇を。
先に、コーヒーをもう一杯、淹れよう。
鼻水が出てて、それがどこまで長く伸びるのかなって見てたら、その鼻水の先っちょが『金子光晴詩集』のページの耳のところに落ちてしまって、4、
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