光を避け/ホロウ・シカエルボク
ベンチで一休みする、ついこの間まで高校生だった、そんな感じの男女がやって来て、トイレ前のベンチにぴったりくっついて座る、暑くないのかね、女の方が時々、男と話しながら横目で俺の様子を窺っている、ああ、と俺はなんとなく感づく、この公園の多目的トイレには、時々使用済みの避妊具が落ちている、俺は一度背伸びをして、二人の居るところからは遠い出口から出る、彼らがいつかヘマをやらかしたとき(それは近いうち必ずあるだろうけど)、八つ当たりの対象になりたくはなかった、まあ、今日が過ぎればお互いに、こんなことは記憶の片隅にも残りはしないだろうけど、そのまま近くのコンビニに潜り込む、話好きな年寄りがレジの娘を困らせてい
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