放浪者と廻者/帆場蔵人
、が
どんなものであったのかは太陽とともに失われた
?
電車は来なかった、また誰かが身を投げたのだ
俺はヴクにさそわれるままにしらけた六脚馬にのり
傾いた灯台の狭間をぬけていく、砂がまた渇いた
ヴクの歌はわからない、俺はそれを知りたい
流砂はそこにたどりつくのか、わからない、砂をかきわける
六脚馬のあゆみ、鳥はなぜ回転をはじめたのか、海はどこへ
うしなわれた、故郷への道は砂に埋もれて、行き方知れず
(なぁ、 おしえてくれ、 いや、 いいんだ)
どこへ……
どこへ どこへ…
どこへ……
線路はそこにある、朝はない、ないとあるの蛇たち
風砂に還ろうとする身体を編み直してくれる、ヴク
とりつくしまをさがしていた、すべてはそこにある
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