詩の日めくり 二〇一七年三月一日─三十一日/田中宏輔
そして、孤独な気持ちになって、じっさいのところ、その孤独さとは
その孤独な時期のものなのだろう。でも、ちょっと孤独さが減った。
日の暮れ方の雪のからっぽな真っ白さのおかげである。
それを言葉にして言い表わすことはできない、言い表わすことは何もない。
そのからっぽな空間が、わたしを脅かすことはできない。
星々のあいだにあるそのからっぽな空間、その星というのも、人類などいはしないところなのだ。
わたしはわたしのなかにそれを持っているのだ、家に近い近いところにだ。
それというのは、わたし自身のなかにあるさびしい場所がわたしを脅かすことである。
英詩を訳しているときのゾクゾ
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