温泉プール/服部 剛
 
プールの外の椅子に
腰かけて
くつろいでいるところに 

紺の作務衣(さむえ)を身にまとう
おばちゃんが姿を現し 
はっ! と思わずタオルで前を隠す
「あのぉ…ここ、水着着用なんですよ」
そう告げて、赤面する僕をみて

 はーっ はっ はっ  

と笑いつつ、去っていった
(まずい…そうだったのか
 一刻も早くここを出なければ)
そう思うと今度は灰色の作業着の兄ちゃんが
現れて、お湯の温度を計り始めた

よし――あの兄ちゃんが背を向けてる間に
今だ!

たっ たっ たっ たっ たっ







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