ごく限られた世界の夜から昼への移動距離を並べて/ホロウ・シカエルボク
 

きちがいじみた雨の夜に骨まで濡れた俺は自然公園の多目的トイレを占拠して身体に張り付いた衣服をすべて剥ぎ取り蛇口だのなんだのに引っ掛けて便座に腰を下ろして朝までを過ごした、当然寝つきは良くなかったしそれほどいい夢も見れなかったけれどそれでもたぶん先週の週末よりはずっと良かったような気がする、先週のことなんかもうほとんど思い出せもしないがそう思ったということはそういうことなのだろう、そもそもそんなことどうだっていい、過去と過去を比較してどちらがどうと決めるようなことにどれほどの意味があるだろう?無意味だとは言えない、おそらくそれなりの意味はあるだろう、けれど、もう変えられないことにこだわることは賢
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