残骸とひこばえ/atsuchan69
詩人たちが眠る森で
私は目覚めた
魔女たちが夜空をとびかい、
光る無数の妖精たちは、
夜つゆを飲んで歓びはしゃぐ
草木の葉を揺らし、
紅いキノコのまわりを
皆で踊り囲んで!
よいか、預言者は全員殺された
未来を話すのは冒涜だからだ
それでも魔女のひとりが舞い降りてきて、
お前はきっと最後の預言者になるのだと言う
ああ、この私は悪夢など
絶対に、信じない
――この森が消えてしまうなんて
絶対に、絶対に‥‥
それでも私の瞳に映るのは、
骨と毛皮だけになった肉食獣の残骸と
老木の根から生じた蒼いひこばえ
やがて、世界は終わる
魔女から手渡された
白くかがやく天
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)