しについて/あらい
も
言葉にならないものを 置いて逝く ただ蝉の音が深深と至る
くだらない夏日の苑
それは影であり日向であり思い出でも未来でもある
凡てに代わる初冬のコトノハとなる
何が形に示そうと 自分なりの感性で
雪だるま式 余剰を反転して捉え、
悴むわが手で柔ら撫でこまれた垢も花開き、
骨身に沁みたこれ 己がモノに沿うものです
それらはみな基地外に狂った果実が育つ様を
ありありと見過ごしていく 茹だった海馬が引き起こした
戦場は如何様みたいな紋様で、マジナイみたいなもの
ですけども、ただ何かを想いながら、心に巣食う詩がある
呼び捨てならない不注意と盲目的な空騒ぎ
裏目怨めども羨まし水際に至って。
際限なく吐き出される蜘蛛の糸に脱い停められたら
私もあなたも丸裸の真実を看た
胸を打つ 鼓動としてとどまるものです
出会いはそれだけ、言葉だけが絡みつき
愛を抱き抱える 軽くて重い想い束ねと添って
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