ある朝/ゆるこ
 
呟き
左足を切断され
腹を引き裂かれ、何度も内臓を触られ
透析を繰り返し死んでいった母や

酒浸り、仕事をクビになり、血液中に健常者の2000倍のアンモニウムが流れた状態で
肝硬変になり、苦しみながら死んでいった父

死は恐ろしい。
だから足掻くのだ。

記憶が私を生かす
どんな日々でも、私は生きねばならない。
あのような無様な姿で死にたくはない。

その恨みは私を焦がし、私の墓石のような足をまた動かす
美しい空、街並み、滲む朝日

今日もまた最悪の日常を美しむ一日だ
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