鈴の舞踏/ただのみきや
静けさでいっぱいの部屋
その中心は何処かと
へその尾や砂時計
そんなくびれで繋がって
むやみに染み出して来る
圧力 その張力
部屋は膨らみ丸みを帯びて
閃輝暗点 歪んだステンドグラス
鼓膜は和紙のように自ら顰(しか)める
わたしと思っていた何かが
破裂する そしてまた
テントウムシが歩いている
わたしの左手は樹のようだ
二匹は赤いナナホシテントウ
一匹は黒いナミテントウ
目覚めれば あたたかな朝
今年初めての虫たちと会える予感
*
雀たちが新芽を啄(ついば)んでいる
食事中もおしゃべりばかり
地面を跳ねても
慌て
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