かみさま、わたしは海を汚してしまった/ホロウ・シカエルボク
いけない、と、彼はわたしの手を引いて木陰へ連れて行こうとしました、わたしは大人しく従うふりをしながら、カバンの中から個人的に研げるだけ研いだペーパーナイフを取り出し、後ろから男の喉を切りました、ふっ、という声を出して男はよたよたと木にもたれ、そのまま座り込んで動かなくなりました、わたしは思っていたより上手く出来たことに嬉しくなりました、ペーパーナイフを鞘に戻し、カバンに入れました、それを持っていた右手にも血のあとがなかったので安心して公園をあとにしました
サラリーマンはそれから三日ぐらい見つけてもらえなかったと記憶しています
この世界はきっとつまらないんだ
わたしはそれを悟りました
マンボウがわたしを見つめながら死んでいきました、わたしは思わず吹き出してしまい…
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