詩の日めくり 二〇一六年二月一日─三十一日/田中宏輔
 



 目が出てる。あごが出てる。おでこが出てる。おなかが出てる。指が出てる。足が出てる。

 目が動いてる。あごが動いてる。おでこが動いてる。おなかが動いてる。指が動いてる。足が動いてる。


二〇一六年二月二十九日 「なにげない風景」


 きみやさんに行くまえに、オーパのブックオフで、新潮文庫の『極短小説』というのを買った。108円。浅倉久志さんが選んだ極端に短い話(55字以内)が載っていて、ぼくがいま『詩の日めくり』で1行や2行の作品も書いてるけれど、なんかおもしろそうだと思って買った。オーパのブックオフの帰りに乗ったエレベーターで、ボタンのそばにいた男の子がかわい
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