詩の日めくり 二〇一六年二月一日─三十一日/田中宏輔
所という言葉の意味が多少とも変質してはいないか。
経験が出来事するという言葉で
出来事という言葉の意味が多少とも変質してはいないか。
時間の強度。場所の強度。出来事の強度。
時間の存在確率。場所の存在確率。出来事の存在確率。
時間の濃度。場所の濃度。出来事の濃度。
この現在という、新しい過去である古い未来。
過去と未来が互いの周りをめぐってくるくると廻っている。
現在は、どこにも存在しない。
回転運動をさして現在と言っているが
それは完全な誤謬である。
われわれはつねに間違っている。
たとえ正しいときでさえも。
最後の2行は、ガレ
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