クウォーク&ラン/アラガイs
 
て頸を傾げた。バーミリオンの擦り切れた布地を腰に巻く狩人が剣を天に振りかざす。芽吹きを迎えた大地の裂け目から真っ赤に燃えた核の炎が噴き上がる。硝子戸に写り込んだヨークシャー犬の舌は涎を垂らし、ゆり子が出てくるのをじっと待機して待っている。ううんアハァントリカブト大麻 明日はもうやって来ないかも知れない。   見たこともないのに明と暗は互いに引き寄せあうのだろう。エリアンのやわらかな乳房の感触を思い出しながら自慰にふけっている。飛び散るのは眼球。屈折という輝く円球(ボウル)を手にしたエリアンの溜息は途切れることはない。苺がペパーミントに香る季節なのかしら? 観測者はブラックボックスをこじ開けようとも
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