詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
きとしてはいなくても、それ以外の瞬間を生き生きと輝いた瞬間にさせる瞬間が存在しているからである、ということに気がついたのであった。
むかし、ぼくが30代のときに、千本中立売(せんぼんなかだちゅうり)に、「たこジャズ」っていう名前のたこ焼き屋さんがあって、よく夜中の1時とか2時まで、そこでお酒とたこ焼きをいただきながら、友だちと騒いでたんだけど、アメリカ帰りのファンキーなママさんがやってて、めっちゃ楽しかった。
ひとり、ひとり、違ったよろこびや、違った悲しみや、違った苦しみがあって、その自分のとは違ったよろこびが、悲しみや、苦しみが、詩を通して、自分のよろこびや、悲しみや、苦しみに振
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