詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
られたときに、ものすごい嫌悪感があって、デブっていうだけで、うつくしくないと思っていたのだけれど、ゲイバーに行き出してすぐに付き合ったひとがデブで、石立鉄夫に似たひとで、とてもいいひとだったので、そのひとと付き合って別れたあとは、すっかりデブ専になってしまって、そういえば、高校時代にぼくの膝を触った社会の先生も、かわいらしいおデブさんだったなあと思い返したりしてしまうのであった。いまのぼくはもうデブ専でもなくなって、来る者拒まず状態である。といっても、みんな太ってるか、笑。ダイエットもつづかず、また太り出し、洋梨のような体型に戻ったぼくが、収容所体験のあるツェランの詩を、翻訳で読む。飢えも知らず、
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