表現と表現者の領域 −詩人たちの末裔 ?/アラガイs
彼らと同じ時間を共有し同じ空間へと至る。実際に目の前に姿が現れることもなければ実のところ目の中には姿が表れているのだという、仮想空間を現実へ向かわせる認識の創造。ならば詩には物語る時間の経過は存在しないのか、といえば作者のあたまの中には必ず時間という流れが介在している。例えひとつの言葉を発しただけでも時間の経過を無視することはできないのです。
独白された私小説と詩との区別はむずかしい。仮に創造の最中に於いてあなたの思考は停止された。はじまりもなければ終わることも無い世界がある、と表現者は言葉にして書き停めることができる。しかし過去が未来をそのまま追い越せないように、言葉を発したその瞬間から、もう
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