RESURRECTION/ホロウ・シカエルボク
、ま、そんなことどうでもいいことだけど。
街を超え、小高い山を登り、薄汚れぐらついた木組みの展望台の上で、泥水を掻き混ぜているみたいな営みを眺める、属さないこと以外に本当の自由はない、イデオロギーは純正であるべきだ、たった一人で認識して選択して吸収したものだけが精神を育てる、他人に何かを教えたがる連中の言葉に耳を傾けてはならない、彼らはどこにでもあるものをわざわざ口にしているに過ぎない…世界は、もの言わぬ場所で満ちるべきだ。
夕日とリンクするように下界へと降りる、たいしたイベントもない家に帰りつくために、あちこちでクラクションが鳴らされている、その混雑を作り出しているのはそこに居るすべての連中なのに…俺はそんな喜劇を鼻で笑いながらコンビニエンスストアでプロレスの本を立ち読みする、総合格闘技は真剣勝負かもしれないが、そんなものにはリアルを語ることは出来ない、それはあらすじだけの小説のようなものだー夜の在り方はそれでも、心を穏やかな気分で満たしてくれる、欲しくもない食べものを買って家に帰ろう、目覚まし時計はすでに明日の朝を待ち焦がれている。
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