RESURRECTION/ホロウ・シカエルボク
空気清浄機のノイズは俺の知らない言葉で果てしない詩を連ねていた、俺はそれをあまり信用していなかった、埃やカビやダニと一緒に、生きる理由まで吸い込んで排除しているようなそんな気がしたからだ、でもそんなことを言ってもどうしようもなかった、システムや規律や利便性以外の概念を持たない社会、人生を棒に振る、とは、本来そんな社会の中で何を考えることもなく労働と食事と排泄と生殖をただ繰り返して老いて朽ちることをいうのではないのか?でもそんな理屈どこにも通用しなかった、そりゃそうだ、会話とは思考を繋いでいくことだ、それがない相手とは決して成立しないものだ、季節や、天気や、ゴシップの為の言葉を俺は持たない、だか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)