詩の日めくり 二〇一五年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
をしよう。ペソアの『不安の書』の引用と、その引用した言葉に対する感想と批判、その引用文から得たインスピレーションを書き出すのだけれど、読書と同様に、孤独だが、ぼくのしている文学行為でもっとも重要なものだと思っている。

 コンビニに、サラダと、かっぱえびせんを買いに行くときに、道路でタクシー待ちをしている青年がとってもカッコよかったのだ。同じ人間でも、カッコよく見える人間と、そうでない人間では、たとえ見かけのことだとわかってはいても、違う人生があるんだろうなあと、ブサイクなぼくは思ったのであった。


二〇一五年十二月二十一日 「月長石」


 きょうからお風呂場で読むのは、ウィル
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