詩の日めくり 二〇一五年十二月一日─三十一日/田中宏輔
出て零れ落ちていく水玉の輝き。このふたつの風景が二十年以上も木魂している。
お風呂につかりながら本を読むのが趣味のひとつになっているのだが、きょうは、マーティンの短篇集『サンドキングズ』のつづきを読もう。きのう読んだ「龍と十字架の道」は、つまらなかった。表紙がすばらしいので旧装版は手放さないが、タイトル作しか記憶にない。そのタイトル作もおぼろげな記憶だ。
1時間近く入ってたのか。『サンドキングズ』収録2作目の「ビターブルーム」を読んだ。SF(サイエンス・ファンタジー)だった。レズビアンものという点では、ジャネット・A・リンの「アラン史略」三部作(4分冊)と趣向が同じ。ただし、リンの
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