詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
に買ったら、600円くらいした。こんなもんなんだ、ぼくの生活は。と思った。あしたは、イーオンでフランスパンを買おう。そう決心したのだった。きょうは、ペソアの『不安の書』のつづきを読む。

 あさって京都詩人会に持っていく新しい詩というのがなくて、このあいだツイートした『13の過去(仮題)』の素材をつかって書こうかなと思っているのだが、いま、ふと、過去の記憶を素材にしたあの場面の記憶というのが、ぼくを外側から見たぼくの記憶であったことに気がついた。ぼくの内部を、ぼくは見たこともないので、わからないが、そう単純に、ぼくを内部と外部に分けられないとも思うのだけれども、ぼくの記憶の視線が構成する情景は
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