詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
の内部や外部に甚大な被害をもたらすことがある。ときとして、運命論者は、それを恩寵として捉える。人間も事物も、偶然の関数である。いや偶然が人間や事物の関数であるのか。人間と事物の定義域とはなんだろう。偶然の値域とはなんだろう。あるいは、偶然の定義域とはなんだろう。人間や事物の値域とはなんだろう。そこに時間と場所と出来事がどう関わっているのか。
それはそこに存在するものなのだが、見える者には見え、見えない者には見えないのだ。それはそこに存在するものではないのだが、見えない者には見えず、見える者には見えるのだ。
人間だからといって、魂があるものとは限らない。人間ではないからといって、魂が
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