詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
四条のジュンク堂に寄って、チャールズ・シェフィールドの『マッカンドルー航宙記』を買った。店員が本を閉じたまま栞をはさんだので、本のページが傷んでしまった。激怒して注意した。もちろん、本の本体は交換してもらった。本を閉じたまま栞をはさむなんて正気の沙汰ではない。
エズラ・パウンドの『地下鉄の駅で』という詩は、もう何度も読んだことのあるものだった。つぎのような詩だ。
人混みのなかのさまざまな顔のまぼろし
濡れた黒い枝の花びら
(新倉俊一訳)
トマス・スウェターリッチの『明日と明日』を授業の空き時間に読んでいると、その141ページに、?黒く濡れた枝についた花びら?(エズラ・パウ
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