詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
壊れる。耳が壊れるよりさきに、耳が聞くものが壊れる。手が触れるよりさきに、手が触れるものが壊れる。頭が壊れるよりさきに、頭のなかに入ってくるものが壊れる。
目に見えるものよりさきに、目が壊れる。口に入ってくるものよりさきに、口が壊れる。鼻に入ってくるものよりさきに、鼻が壊れる。耳に聞こえてくるものよりさきに、耳が壊れる。手が触れるものよりさきに、手が壊れる。頭のなかに入ってくるものよりさきに、頭が壊れる。
壊れるのなら、いま! いまが壊れる。
そろそろクスリのもう。さいきん、クスリの効きがよくない。あと、数十分、起きていよう。5連休、ほとんどペソアの詩集を読んでいた。詩集のゲ
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