詩の日めくり 二〇一五年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
ことであると思った。過去があるというとき、その数えられる過去というものは、連続性を持っていないはずである。なぜなら、連続して変化しているものは、連続性の、まさにその最中には、数えられるものではないからである。連続的に変化する雲は、いったい、いくつと数えればよいのか。なかには、一つと言う者もいるだろうし、無数だと言うものもいるだろう。数自体が連続しているので、過去の意味も、生じた自我も、個数を数えることができない。数えることができるのは、意味を持たない過去と、晶出することなく霧散失踪してしまった自我だけである。あたりまえのことなのだが、日・時間・分・秒を入れて、雲を画像に収めても、それは、その日・時
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