春/思う/こと/tonpekep
 
花が咲き出しますと
わたしの中で
やさしいものたちが
皮膚を透して 蒸発していきます

それはわたしの 遠い方向の片側で
不細工であるけれど
組み立てられていくのです
そこにだけ 微かに 慈愛が形作られている

夕やけの側で 壊れた車輪を
シッダルタの影がからからと廻している
わたしは 待っていなければならないのでした

それは古い意識かもしれません
わたしはすでに肉が削げ 骨だけなのかもしれません
花の下に 散乱する者 であるかもしれません
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