空気管デッサン/あらい
 
の足はもう揺らぐことがなく、繋がれたものも涙することもない、
そこに指名されているのは、姿かたちを模した、きれいな陶器人形たち、
かじかんだcup、立ち昇る煙だけが、
とぎれとぎれのときを、生きたものとしていた

壊れた再生装置から検出された愛は、胸に縫い付けられた、
アンティークをうたう新緑の空気管だけを
取り残したこの今を想えば。空回りする風の音が、
眦の隙間から零れていた
これを束ねて明日とする。
だれが値をつけるのか、
我楽多の中の思い出に溢れる、ありふれた木漏れ日を
だれが買い求めるというのか。
まどろみにも満たない 私たちの生きざまをうつすスクリーン

わたしは あなたに見合うモノか。値をつけるものはいないはずだった
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