No Code/ホロウ・シカエルボク
 

首筋を流れた汗は冷たかった、ラジオはゴスペルばかりで、俺は祝福など欲しいとは思わなかった、衝動は体内でハリケーンのような渦を巻いていたが、噴出する先を見つけられず色味の悪いものに変わりつつあった、今すぐ脳天をブチ抜きたい、ネガティブな意味じゃなくてさ、欲望とはタイムラグを持たないのが本当だろ、身体の中を強い風が吹き抜ける音を聞きたい、なにも釈然としないままベッドに横たわったままで居るなんて眠る前から悪夢しか見ないことは分かってる、友達に電話してもいいけど、こんな時間につかまえられるのはバカ騒ぎが好きな連中ばかりさ、応急処置じゃもう間に合わない、もう誤魔化しなんかきかないんだ、神経の中をなにかが
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