あなたはただ佇んでいる、それがわたしには心地好い/ホロウ・シカエルボク
、なんでもいいとなったら仕事なんて必ずある、それぐらいのことは学べるくらいの人生は歩いてきた、時計を見るとまだ昼下がりだった、タブレットでネットを漁って数時間を過ごした、それから小説を読んだ、古い古い、堅苦しい小説だ、訳違いで五冊持っている、初版のものが一番いい、本を閉じると、珍しく眠くなった、これは貴重だと思いながら昼寝をした、起きるともう外が暗くなっていた、冷蔵庫にあるもので簡単な食事をとり、薬を飲んだ、テレビを見て数時間を過ごした、夜中になっても睡魔はやって来なかった、昼寝なんかしたせいだ、夜眠らなくなるのは嫌だった、一度そうなると戻すのに苦労するからだ、駄目なものは染まりやすく出来ている、
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