corona/木屋 亞万
 
人のいないところを求めても
ひとりぼっちはさびしい
群れのはずれで草を食む
天の川のほとりでぽつり
輝く恒星の影にいる

自分では光れない
誰かの真似をしないと
なにもできない
誰かのつくったごはん
作り方を真似ても
あまりおいしくならないね

人と会わなくなった
笑うより泣くほうが楽だ
水だけでは痩せていく
日かげの若い木
葉っぱの端がちりちりと枯れる

冬の風の吹き荒れる
思い出せない春の温もり
思い出の中の風船の糸
冬眠は静かに耐えて待つこと
痩せていく腕を見つめながら

養分が豊富なところでは
生きることは今日も
楽しいのかもしれない
うまく育たなかった私の柱にも
わずかながらに届く陽がある

戻る   Point(2)