corona/木屋 亞万
人のいないところを求めても
ひとりぼっちはさびしい
群れのはずれで草を食む
天の川のほとりでぽつり
輝く恒星の影にいる
自分では光れない
誰かの真似をしないと
なにもできない
誰かのつくったごはん
作り方を真似ても
あまりおいしくならないね
人と会わなくなった
笑うより泣くほうが楽だ
水だけでは痩せていく
日かげの若い木
葉っぱの端がちりちりと枯れる
冬の風の吹き荒れる
思い出せない春の温もり
思い出の中の風船の糸
冬眠は静かに耐えて待つこと
痩せていく腕を見つめながら
養分が豊富なところでは
生きることは今日も
楽しいのかもしれない
うまく育たなかった私の柱にも
わずかながらに届く陽がある
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