流木を見た街/
番田
僕は誰もいない部屋の中にいる
そして上流から流されてきていたいくつもの流木を思い浮かべている
僕は アパートの一室で
昔住んでいた街の風景を見ようとしていた
そして かつて思い描いていた夢を思い出している
僕は一人の失業者だったのだ
濁った川が流れる 堤防の上から見た 風景を
昔住んでいた街の風景を 今日も僕はこの街で思い浮かべている
戻る
編
削
Point
(3)