詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
笑
ひとりごとのつもりだから
そういえば
ぼくは
自分の詩集に対する手紙や葉書もぜんぶ捨ててるし
卒業アルバムもぜんぶ捨ててる
いま
部屋にある本も
SFだけど
表紙に愛着のあるものを除いてだけど
勤め先の図書館に寄贈している
ほんとに必要な本って
そんなにないのかもしれない
いや
いま思ったのだけど
1冊もないかも
「えっ? 30才?」
「うん。」
「童顔なんやね。」
ときどきぼくの顔を見る
ぼくはずっと彼の顔を見てる
「まだ20才くらいにしか見えへん。」
苦笑いしてた
エイジくんに似ていた
「なにして
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