詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
ちょっと、その血をどうかしてよ
と思うぐらいに
はっきりと
べっとりと
額に血がついてて
ちょっと怖くて
ちょっと心配しちゃった。
それに
だれがそんなひとから野菜を買うのかしら
とかとか思ったのだけれど
日曜日には
血はついてなくって
ほっとした。
あんなにどうどうと血を額につけたままいられると
自転車で前を通っただけのぼくだけれど
心配しちゃうんだね。
真夏のように暑かった
日差しの強い土曜日とか日曜日。
駅の喧騒。
人・人・人。
「とか」という言葉がすっごい好き。
駅とか
人とか
とかとかとか。
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