詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
 

身体を離そうとしたら
その子も、腕の力をすっと抜いたので
大きなため息をひとつして、彼のそばから
簡単に離れることができた。
フンドシの出てくる詩集を
串田孫一さんにも送ったことがあって
串田さんからいただいた礼状のおハガキに
「あなたの詩の最後に
 フンドシという言葉を見て
 なつかしく思い出しました。
 わたしも戦争中と、戦後のしばらくのあいだ
 越中褌をしていましたから。」
とあって、そんな感想をいただいたことを、
うれしく思ったことを思い出した。
そうか。
フンドシ好きは、ねちっこいセックスするのか。

ねちっこい
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