詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
よって、ぼくの腕のそばに立たされる。男が動くので、なかなか、ぼくの輪になった腕に、男の首がかからない。二人の刑務官ががんばって、ぼくの腕に、男の首をかけた。床が割れて、男の身体がぶら下がる。輪になったぼくの腕に吊るされて。


二〇一五年一月二十五日 「簡単に捨てる」


シンちゃんからひさしぶりに電話があった。
「前に持ってたCD
 ヤフオクで買ったよ。」
「なんで?
 あ、
 また前に売ったヤツ買ったんやな。」
「そだよ。」
「なんでも捨てるクセは
 なおらへんねんな。」
「売ったの。
 飽きたから。」
「いっしょや。
 そうして、人
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