また瞬きがお前を惑わすだろう/ホロウ・シカエルボク
される、美しい花をうたうならその下の土や、そこに棲むおぞましいものどものことまでうたわなければ嘘になる、どうして目を逸らそうとする、そこらに溢れている真実が胡散臭くて堪らないからこちらに来たんじゃないのかい、どんな道を選ぼうとそこには必ず覚悟が必要になるんだぜ、それがつまりリアルかどうかってことになるのさ、自分自身のすべてを曝そうという覚悟だ、死の影を踏みながら、その靴底の感触がだんだん変わってくるのを見つめてみることさ、もちろん、そうしたことに一切背を向けて、能天気なスマートさを生きることだって決して間違いではないけどね、近頃はそういうのをスノップっていうみたいだぜ、はは、笑わせんな、いいかい、知らないことが知っていることを超えることなんてない、それだけははっきりしてるよ、そして真実は、一瞬たりとも同じ形をしていない、この世はまやかしだってよく言うだろ、そうさ、確かなことだ、この世はまやかし、それだけが、きっと確かなこの世の理なのさ…。
戻る 編 削 Point(1)