また瞬きがお前を惑わすだろう/ホロウ・シカエルボク
 

死の影を踏みながら咆哮する血液の垂れ流しざまを嘲笑して落陽を迎え、薄い刃物のように刺さる冷気を抱きながら二十世紀の昂ぶりに打たれて我を忘れていた、過去は嘘に近いリアル、現在はただの空気、未来は夢物語だ、血が記憶することなど数えるほどだ、つまりはそれが人生の真実だ、血液は循環しているようで実はしていない、道を辿りながら少しずつ死んで入れ替わる、その感触は概念として常に存在している、制御が課題に成り得ない瞬間もあった、課題としてしか存在しない瞬間もあった、でも本当に必要なものは成り行きというやつだ、方法は最初に選択されるべきではない、その時踏み出した道によって靴を選ぶべきだ、人間の本質は欲望だから
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