詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
持たない
純粋性や透明性といったものがある
しかし
ただひとつ
ぼくが音楽について不満なのは
音楽は反省的ではないということだ
じっさい
どんなにすばらしい音楽でも
ぜんぜん反省的ではない
他の芸術には
ぼくたちに
ぼくたちの内面を見るように仕向けさせる作用がある
しかし
それにしても
音楽というものは
それがどんなにすぐれたものであっても
ちっとも反省させてはくれないものである


二〇一四年十三月十三日 「書き改めてなかった」


2、30年くらい前のことだけど
『サッフォーの詩と生涯』という本のなかで
引用されていたエリオットの詩の原文にコンマ
[次のページ]
戻る   Point(12)