これっぽっちのさいわい/天寧
 
ふと 命綱を切り離した
白く照らし出された地上に満ちる禍は
無関係のまま皮膚に調和した

昔は幸せでも不幸せでもなかった
路傍の刹那は
ありのままでいられると 凱歌を放った

ふと 命綱を切り離した
白く照らし出された地上に満ちる禍は
しばしの浸透に寝入った

たったこれっぽっちのあたりまえよ!
たったこれっぽっちの
豊穣なるさいわいよ!

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