あかるい/
はるな
あかるい暗やみを
猫がふうふう歩いている。
うすべったい陰を
引き摺るようにして
草むらを
すこし割りながら
白だったり
黒だったり
する猫の、
どこからみても
おなじふうには
見えない猫の。
日々を垂直に
過ごしなさいね。
という 教えはふるびて
寒い日の
火種になった
神さま、猫たち、
生きていることに
どれほどひらたくよりそっても
よりそっても 寒い日は
この肌をぬぎすてて
やっと息を吐くんだよ。
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