ナマ板の鯉/板谷みきょう
病院に勤めて初めての忘年会の
早く終わった二次会で
ほろ酔い気分でヒロミが言った
このまんま帰るのは勿体ないから
どっか面白いトコに行こうぜ
まだ着こなせられない背広姿で
ネオン街を千鳥足で進む
ボクは追うようについてった
飲み屋街を抜けた所で
見付けたピンクの幟には
「入れポン 出しポン ナマ板ショー」
文字に誘われて
ボクら二人で入店したが
ポツポツと居る客は
おじさんばっかり
踊り子さんが出て来て
ステージにかぶりつきの向かい
前列のおじさんが真剣な表情で
玩具のコケシを踊り子の
ソコに挿入している
下手くそっ!
踊り子さんの
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