違語/すいせい
しまうのかもしれない。雪に降りかかる血は穏やかに湯気を上げて、もしかすると肌のいろとは時の違いかもしれない。
そうして
あなたたちの脳に銃弾を撃ちこんで、雪が降る
私たちの脳に銃声を刻んで、雪が降る
ふりかかる脳漿が、雪をとかす
血液の隠喩として乳房は言葉を焚べる。透きとおった頬は血に汚されて、私たちは産みなおすのかもしれない。
棍棒を振りかざして、赤ん坊に下ろすひと
片目を瞑り、世界をみるひと
色を殺し見上げた空はうつくしかった。
凍りつく以前の湖で
白鳥が肢を折り曲げる
かき分けられた限りなく透明な
私たちの言葉は
場違いな殺害を
どこまで繰り返すのだろう
いま死んだ
頬の温もりを
知らぬひとが
また
死んだ
そして焚べる
あなたとは違う
私たちの言葉を
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