オラトリオ暗渠/あらい
下した呪いの填
重しに翔けて栄えた風羽根をも、地に足を降ろしても尚、悩ましく罹る
こめかみを摘まむものは時の海鳴りとも生きざまとなり
誰が為の頭上の冠、編みこまれた時の磔。瞬ぎて風と猛れよ
彼方に被さる藁胞子はきっとマンホールの奥底へ
雨宿りを繰り返すひとびとは明日の行く末を見ようとはしないから
死んでしまうための僕ら。誰が頭上に頂くのだろうか。
てのひらの蕾には虎眼石の填(はま)る痴情、名無しの明日の月が朱く昏く
渦巻状の首から先を化石達に注ぐ、
未来を除いた精子のような言葉たちは呻るばかりで
運命は楽譜にもなりえない
円形音楽堂の解体現場にて、湯切り口の膣はしまりなく
産卵列車を逃したオタマジャクシは孵るに至らず
唯、返る、還る、無く、亡く
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