二月の夜に/Giovanni
 
 透き通る空を眺めた
                 空は 僕みたいな
                 プータローの心も
                 青々と吸ってくれるかな
                 そう思いながら

草むらに横になって僕は僕の四肢が空と一つになる夢を見た

 
 大人になって
 ずいぶんと経った
 ある 二月の夜に
 僕はもう空にも
 地べたにもいないことに
 ふと 気がついた

 僕はどこに立っているのだろう
 僕はどこに行けばいいのだろう
 二月の夜空は寒すぎて
 二月の地面は凍てついて
 帰りたくとも帰れない
 行き場のない僕たちは
 ただ 言葉にならない
 行き場のない言葉を
 あてもなく あてもなく
 紡ぎ続けるばかりだ
 

2007.2.20
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