風船/桂
ったのはマメに空気入れすることを怠ったからだ
日常の生活に追われ何かに期待することを忘れてしまっていたからだ
重くなった頭にチューブを突き刺して期待を注入すれば
もしかしたら今すぐにでも飛べるのかもしれない
そして もし僕が再び空を飛んだとしたら
経験がある分若い頃の自分よりずっと賢く広い空を横断することができるだろう
風船はヘリウムガスを注入して飛んでいく
僕らは期待を胸に飛んでいく
もしも飛んでいる間に空気が漏れて地上に落ちてしまった時は
その場で休んでゆっくりと気体/期待を注げばいい
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