小鬼の遠足/アラガイs
だらだらと続く小雨には細胞のいくつかをくれてやればいい。
二万年の月日を生き延びてきた若者が星の消えた真夜中にそう呟いた。
何をしてきたのやら といつものように振り返るのがその日の終わりを告げる日課になっている。
‥いえね‥近ごろは身体の内部から腐りはじめてきているらしくて‥‥
この頃めっきりと体力も落ちてきたよう〜なんてぼろぼろの難破船に揺られながら年老いた船頭が呟いてきては吐き捨てるような声がね‥腹の底から‥特にこうして星の無い夜にひとりで向かい合ったりしますとね‥‥これからという時に若くしてあの世に逝った人たちのが顔が悩ましい微笑みを浮かべては責めるようにね‥わしのこと
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