にくのうつわ/鳴神夭花
 
私は其処にいないでしょう
私は貴方の中に
貴方のたどる
指の先に

嗚呼

生命を受けたことは呪いだよ
それを絶てないことも また
呪いだよ
この狭苦しいうつわの中で
ただぎりぎりと軋んでいる

さようなら
さようなら

此処に私の首を
括ってくれるものは一つもない
戻る   Point(2)