にくのうつわ/
鳴神夭花
私は其処にいないでしょう
私は貴方の中に
貴方のたどる
指の先に
嗚呼
生命を受けたことは呪いだよ
それを絶てないことも また
呪いだよ
この狭苦しいうつわの中で
ただぎりぎりと軋んでいる
さようなら
さようなら
此処に私の首を
括ってくれるものは一つもない
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